上から目線のススメ タクシーを見たらタヌキだと思え
道を走っていると、不愉快極まりない動き方をするタクシーと出会うこと、あるでしょう。
車線を跨いでどっちつかずに走ったり。
コンマ三秒しかウインカーを出さなかったり。
「ひととしてどうなのか」って怒りたくなるようなタクシーですよ。
でもちょっと待って。イライラするのは体に悪いよ。
そもそも、怒ったって無駄なんです。
あいつら、みんなタヌキなんですよ。
車体の上に、なんか提灯みたいなものがついているでしょう。
アレ、葉っぱです。
頭に葉っぱをのせて、ドロンと変身しているんです。
山での暮らしは厳しくて、食いっぱぐれてしまった哀れなタヌキたちは、人里に降りてタクシー稼業で糊口をしのいでいるのです。
腹の立つタクシーというものは、たいてい、人里にまだ不慣れな、新参者のタヌキです。
人間様のルールを、まだよくわかっていないです。だから、
「ちっ、仕方ねえな。所詮、やつぁタヌキだ」って、
上から目線で見逃してやってください。
あなたの心の健康のために。
――と、わたしはいつも、助手席から夫に伝えてます。
わたし自身は車を運転しないです。
すれば、ひとを轢き殺すことに絶対的な自信があるから。
運転しないというよりできないのです。
まあ、タヌキ以下ってことだな。
※この記事は、わたしが試しに一ヵ月ほどやっていたブログ「トリトンと月」からの転載です。お引越し方法がよくわからなくて、ひとつづつ手作業で移動させてます。すみません。